好きこそ物のジーンズなり
思えばオタクでもなかった自分がどうしてここまでどっぷりハマってしまったんでしょうか?
実はチープ!上から下までで(シャツも靴も入れて)1万4千円です。
ジーンズは古着屋でエビス5800円、Gジャンはドゥニームのファーストで3700円。たぶん定価ならフリマで2000円で買った登山ブーツが一番高いでしょうね(推定3万以上)気が付くと上下合計でも三千円という日もありんす。
自分がのめり込んだ分岐点は案外最近で、ヴィンテージブーム最初期の1993、4年位なんですね。ミーハー丸出しですが。
横田基地フェスティバルに来ていた4人くらいの日本人の若者軍がフレアー気味のジーンズで闊歩してたんです。
当時自分はジーンズというとストレートでしたからビックリして後日調べたんです。
どうやら渋カジの彼らはバンソンの皮ジャンにリーバイスのビンテージ(フレアー517か)を洗わずに履く。いい色落ちをさせたいから洗わない。部屋では裾が汚れてるから裾をゴミ箱に突っ込んで置く。
ブーンだかの記事を読んで唖然としました。『こいつらは洗脳されている。洗わないと色は落ちないやろ』とおもいました。
たしかに自分も1982年頃、宝島という雑誌でジーンズマニアの色落ち薀蓄を読んで、リーの新品をリジットから半年履き込んだりしてたんですが、いわゆるいい色落ちにはなりませんでした。
失望です。
なんせその当時いい色落ちをしたジーンズを、街で見た事すら無かったんです。勿論眼力の問題もあるでしょうが、ビンテージはおろか縦落ちという言葉すらなかった時代ですから。
Gジャンは好きでリー202Jとリーバイス70505スモールeを1992年頃に所有してました。
両方古着屋で7千円程度でした。
でも今思うと2枚とも渋い色落ちが気にいって買ったには相違ないんですが、『年代の古いのに何十万も注ぐヤツがおるらしいが、哀れだな。大差ないやん』という心境でしたね。
ボトムに関しては自分が以前買った82s当時の現行モデルではダメで、旧式の力織機で織ったビンテージかレプリカでないと縦落ちはしない、という情報をようやく1993、4年くらいに知るんですよ。
それで、ハリウッドランチマーケットというレプリカを洗濯2回位の濃い状態で購入したんです。それで?
最初は別にどうも思いませんでした。渋カジみたいに(洗わないで)履いてたけどたいして良い色にならんし、興味が薄いまま洗濯機で洗いました。するとどうでしょう。現物がすでにないのでもどかしいですが、
ももの上あたり、ぼこぼこの藍の表面に浮かび上がるような白い点落ち群が出現したんです。
『これは、、、、海だ』
白く落ちる事で逆に青の深みというか深さが窺えるような、、、嗚呼、まるで上空漂うセスナより見下ろす大海原の光景です。
それは太陽光を反射しながら色みを変幻させるブルーの海面を彷彿とさせました。グランブルーですね。
ブルージーンズが他の色では有り得ない孤高の[青]であり続ける真理に勝手に納得したのです。
目覚めと言おうか気づきと言うべきか、、、、
くどいでしょうが、アップしていても自分はため息です。
洗わないといい色落ちしないのではなく、極力洗わずに履くと地味にしかも美しく縦落ちするんですねえ、渋カジ君。
我慢の限界でおもむろに洗うと縦落ち顕著になる、というカンジですかね。ただし汚れというか黄ばみなのか、茶色く変化したデニム地は青さが少し戻ります。
でも綺麗になって美しくなった、という程単純な問題ではないです。
最近3000円で買ったドゥニームです。66モデルらしからぬ見事な色(失礼)ですが、あまりに茶色いのでもしや1度も洗ってないかも、、、と思ってこの後、風呂で70sビッグE(やはり茶色い本物)と、ペアで足で押し洗いしました。洗剤と汚れとインディゴで緑灰色の水になった浴槽はある意味気持ちよかったです。ただ、洗濯後思ったほど茶色は抜けず、汚れというよりそういう加工が施してある可能性も。
まあ洗うと確実に濃紺度は洗濯で薄まるし、いざ茶色み(藍と合わさって緑っぽい)が薄くなると寂しい、、、、、ウーンこの状態の善し悪しは微妙ですね。
ま、それからさらにいいレプリカはないものかと三多摩ローカルの古着屋を捜しました。ドゥニーム、ジョーマッコイ、フルカウント、ウエアハウス、ドライボーンズ、リーバイス復刻、ヒステリックグラマーETC、、、
どれが秀逸だったかは新品から育てていないので名言できませんが、皆、自室にいながらにして太平洋を垣間見せてくれました。
うーん
いちがいに縦落ち度が粗い方が美しいとも限らない、という事も知りました。
あまり粗いのはワザとらしいんですね。501XX生地は縦落ちの肌理(キメ)が細かいです。見栄えは距離によるので、写真に撮った時には勿論肌理粗い方が映えるでしょう。
で、2~3メートル離れた位置からの判断となると(平常、他人が見る距離)XXよりドゥニームやエビス等レプリカ群の方が綺麗な縦落ちに見えそうです。
盲点というか、よく購入時に食い入るように接近して肌理を判断しますが、他人は普通そんなに近寄らない事を頭に入れるすべきなんです。また、太陽光下と室内照明下による印象の変化も考慮しないと。
ハリランです。最高ですね。これは5年前ヤフオクで1700円位でなにげに落札、届いて驚喜した思い出のジーンズ。ハリウッドランチマーケットはいい色落ちが多いんです。32インチで腹がキツいんで、Gジャンのサイドアジャストを切り、つないで前が留まる工夫をしてます(運動せえや)
ともあれジーンズ鑑賞は自宅の中の密かな小宇宙旅行といってもいいでしょう。とても目と脳が癒されるんですね。
一方Gジャン収集はゆっくりと色濃い70505スモールe、ビッグE(1970年頃の物)へと進化(深化)しましたが、レプリカと70sリーバイスのデニム地はゴワ感に差があったんです。
レプリカはきめが粗いから縦落ちが顕著です。つまり自分が感動したような明確な[海]はマイGジャンでは人に説明しにくいんですね。
すでに自分には地肌から海中の魚群が見えるんですが、、、、、、、、、
知人には「ジーンズメイトにあるのと一緒じゃん」と言われるのが関の山で
70505ビッグE(1970s)42インチ(L程度)です。557と大差ないですが、ぐっと安いです。かつては3万しましたがヤフオクで4千円弱でした。
最近、仕事場に来た母が目の前にわんさと飾ってあるジーンズ群(色落ちレジェンド達)を見て、「洋服ラックも無いのかい」とすぐに仕舞おうとしました。
Gパンを飾るという神経がわからなかったらしいです
おてあげ
岸が見えないこんな海洋まで来てしまったんですね、、、
手漕ぎボートで。