オールドリーバイスは手塚治虫か
557XXは7枚持ってます。でも平均買値は8千円くらい
ELVISとLEVISは同じ字の並べ替えです。
ジムジャームッシュの映画で「アメリカ人の目指す究極はエルビス」というような事を永瀬さんが言ってましたが、ジーンズを目指す人はだいたい昔のリーバイスを目指します。
リーや、ましてラングラーに行く人は少ないです。やっぱり歴史的意味と色落ちが断トツなんですよ。
リーバイス不動の4番打者が501XXです。
記念すべき
初めてのXXです。10年前に初ヤフオクで5万8千円でした。33インチでレングス84(長っ)パッチとタブが欠損ですが、隠しリベットだから本物です。地味だが美しいです。
501XXをあえて何かに例えるなら、、、、ビートルズでしょうね。
あえて?
全てにおいて革命的で偉大で野暮いんです。
ポールをダサい天才(名言)と呼んだのは天才桑田圭祐でした。
否定しても釈迦の掌の上なんですよ。それでいてジョンもポールもちっともセクシーじゃないんですから、、似てる。
で、リーバイス全般を例えるならここはロックンロールでしょう。
「ROCKは死んだ」と、ピストルズはのたまいましたが、何度死んでも蘇るのがロックンロール&リーバイスでしょうね。
原点回帰率ハンパねっす。
まるで火の鳥を読み返すみたいに、、、足と袖を通したくなる。
501XX(通称ダブルエックス)は50年以上前にコーンミルズ社の生地改変(?)で無くなりました。
旧式力織機が近代化で、もっと大量生産できる機械になったんでしょう。この時赤ミミと呼ばれるサイドシームの部分も脇割り縫いになりました。
基本作業着ですから、「オイ、コレじゃあ良いミミのあたりが出ないぞ」などという苦情は無かったんでしょうよ。
マイXXのミミのアタリです。お利口。
まるでジョンレノンが、射殺されたようなセンセーショナルな出来事です。
言いすぎました。
よね~よね~
501XX生地は未だに最高峰と言われています。
なんとXXには色的失敗作がほとんど無いらしいんです。
こいつぁ2本目(33インチ)です。4年前にヤフオクで6万円でした。ポケット部分に同色のレプリカを上あてしたので奇妙な表情です。結果誰も本物と思わないという、、、いざとなればすぐ外せるのが手縫いの利点です。
失敗がないという事は、目利きなら何も情報がなくて生地のみ見ても、すぐにそれとわかる位にXX以外とは違うのでしょう。
自分も3本所有してますが、オーラという獏としたムードでなく確かにヨイ、、、感じがします。
いやそう思い込みたい心理もあるでしょう。ウチの子らは安あがりですんでね。
それでも3本で13万円強です。
合体モデル、自称ブラックジャック以外は少し洗いすぎなんですね。失われたインディゴブルー、、、、こればっかりは取り戻せないんです。
勿論買ってからは洗ってませんし、あまり履きません。免許の書き換えに履いて行ったけど下半身は免許写真にも反映されません。
6年前、未明に仕事場アパートのすぐ前の家が全焼した時のことです。
寝ぼけ眼で眼前のオレンジの風景を見てパニって、財布持って外に飛び出したんですが、すぐに引き返して箪笥の中の501XXとGジャンセカンド(507)を握りしめ、表通りで隣家が燃え落ちるのを見守りました。
ひえー
結局そんな宝しか自分には思い浮かばないんですね(他にないか)
昔のリーバイスの生地がどれほど凄いのか、、、これは少しは自分にも説明できます。
上も下も4年前にヤフオクで同じショップから4万5千円の安値で落札した物です。これには少しからくりがあって、たしか肩幅表記52センチとあったんです。これは本当ならサイズ48(超特大)以上です。というか、、、見た事ないです。自分はオークションの小さい写真からバック身幅がつなぎ当てだからサイズ44以上なんだろうが、、、44(LL相当)だと判断しました。その通りでした。ジャストサイズ、、してやったりです。
前にリジット状態ではデニム生地がどう色落ちするか見抜けない、と書きました。
この2枚はリジットではなくたぶん洗濯2回程度の生地ですが、これだけ深みのある色を見せています。
俳優で例えるなら竹之内さんや妻夫木さんみたいにもう出来上がっています。
端正でなく完璧なんです。
届いた時はあまりのインディゴブルーのよさに狂喜したものです。
しかし、それでも自分が11年前に見たファースト(506XX・たぶん1930年から50年製、大戦モデルではない)には負けます。
現物写真がないのは残念ですが、
こんな感じです。
勝手に使ってすいませんが、これは1998年ころのブーンという雑誌からページで切り抜きました。
この506には18万円位の値がついてます。自分が目撃したのはもっと濃かった気がしますが写真ではなんとも、、
有名な原宿ベルベルジンにあったそれは信じられないほど美しく黒く濃かったんです。
わなわなしました。
まるでドラマ若者のすべてで、長髪になったキムタクを見た時のような衝撃ですかね(わしゃあゲイか!違うんですがジーンズはどうしても男優に例えたくて)
んあ~
完璧でなく最高なんですよ。最高の前には若者といわず人類のすべてがひれ伏すんです。
傷だらけの天使のショーケンとか探偵物語の松田優作とかジェームスディーンとかパイレーツオブカリビアン1作目のジョニーデップとかね。
初期型ファーストなのにたった8万8千円(当時濃い1stは相場15万円超)ホントに欲しかったですが買えませんでした。
今は後悔しています。
自分はブランド問わずいいジーンズは壁に吊るして毎日眺めては癒されるので、眼福というのか、、絶対損は無かったでしょう。それだけは失われし10年ですね。
あしたのジョーか、、、、、、、
ブームのメインだったボトム501XXでこのクラスの色落ちを探すならたぶん今でも70万円はするでしょうね。自分もお目にかかった事は古着屋のショーケースやディスプレイですらありません。
リーバイス社でもたかが労働服にこんな価値が出るとは夢にも思わなかっただろうし、その色に惚れ込んだアメリカ人も皆無だったでしょう。
いたらヘンタイ扱いだったでしょうね。
XXの美はあくまでも振り返って見たら、という偶然の産物なのですね。
だからどうしてもリーバイス、、、なんでしょうね。
現代人が手塚治虫より尾田栄一郎が、あるいは長嶋よりイチローが偉大だ、と思うのはいたしかたないです。実績からしてそうでしょう。
自分も老いた野球人がバッターボックスに立ち、ピッチングマシンで高速の球を投げさせて、伝説の戦中戦後の名投手沢村栄治の球速をおしはかる、という企画をテレビで観て、絶句しました。
150キロ「うーん、まだまだ」160キロ「む、いや、沢村はこんなモンじゃないぞ、、」165キロ「おー、同じ位だ。沢村だ」
沢村栄治165キロだそうです。
アホか!
んなわけねーべや
当時の映像を検証すると、、、素人目にもせいぜい135キロです。当時はそれでも凄いと思います。高校時代の江川でも145キロ位ではないでしょうか。
思い出と相まったヒーローを賞賛する時は、周りのヒンシュクを考えよう、と肝に銘じました。「石原裕次郎?ブチャムクレやん。どこがハンサムなん」という客観性です。いや裕次郎大好きですが。