ブルージーンズ岩城滉一論
ブルージーンズといえば即答で寺内タケシ(バンド名・寺内タケシとブルージーンズ・1962年)か松田優作(太陽にほえろ・ジーパン刑事・1973年)か、というスゴい旧世代ですが(この両者は後述します)、、、、、
自分はまあ、異端のコレクターの部類でしょう。
マニアは収集量も情報もみなさん凄いです。工夫と発想だけはタダなので、自分は必ず行き当たるであろういくつかの壁を自分なりに割とたやすくクリアーしてます、、
金はかけずに。
上記のボトムは一見普通の折り返し(左)ですが、実は全く別のジーンズの裾を縫い付けて(右)ます。これによってなんと4センチのレングスアップです!簡単です。注意するのは裾幅と色目、ザラ感を合わせること。自分は捨てるジーンズは裾を必ずカットして保管してます。
なんと上記のドゥニームのポケットにリーバイスアーキュエットステッチの中心部みたいなのを縫いました。縫い糸も選ばず下書きもない一発ジョーク芸ですが、なんか土器みたいに地中からアーキュエットが片鱗を出したみたいな、、、写真では伝わらないですかね。
この501XX(1960S)は本物です。ケツあたりは色濃く、サイズこそ35インチですが極上なのに1万円でヤフオク落札しました。なんと下半分弱が薬品なのか、ズタボロに切れて紛失状態でした。で、似た色のレプリカと合体。手縫いと布ボンドでなんとか復活したブラックジャック君ですね。12時間かけました。
こんな事しちゃダメでしょ?と言われる行為もあるんですが、まあ違法ではないのでただの自由とGパンの履き違えですね。
手縫いでなんとかなる世界だからこんな遠い場所まで来てしまったんですね。
もう戻れないです。ついに靴やTシャツやウールの背広まで改造しちゃいました。
オンワード五大陸とは思えませんね。
いずれも2枚のTシャツの合成。色や柄が綺麗なTシャツは安ければ小さくても買います。
岩城滉一さんのようにあきらかにクールス時代より渋く、いい加齢をする俳優は少ないですよね。
一方郷ひろみさんは普遍的に変わっていません。ジーンZUKIとしては郷ひろみ的方向を目指さないんです。
履きこんで経年変化が劣化でなく逆に魅力を増す、というまさに中年を迎えた人が希望というか幻想をそこに見出す、そんな岩城滉一なGパンに出会ったら最後なんですよ。
3千円 のドゥニームです(第3章で出る茶色い極上66モデル)
これは洗ったあと。
たいていのマニアの人はジーンズを自分でリジット(新品)状態から育てて、気の遠くなるような時間と手間をかけて色落ちさせていきます。
それも楽しいんですが自分は人様が手塩にかけて育てた35歳くらいの岩城滉一を養子に貰って、53歳位、つまりキムタクドラマGOOD RUCKのパイロット役あたりの岩城滉一に熟成させて、殿堂入り(箪笥もしくは壁にディスプレイ)が理想ですね。
横着です。
と、いうのも自分もこの道永いですが、未だにリジットのジーンズが岩城な色落ちするかどうか割と見極められないんですね。
履いて洗ってみないと判らない。
むやみに洗ってもイカンし。
その点古着はもう一目瞭然ですから。
まあ岩城なのは高いんですが。
自分は今はレプリカ古着で9千円もしたらどんな極上品でも、もう買わないですね。
このエビスは古着屋で惚れ込んだ5800円の極上品です。でもサイズ31インチでした。自分は33インチ位なので諦めることも痩せることもせずに、買って改造して履いてます。股部分に違うジーンズの股を当てて、7センチは稼ぎました。やはり手縫いです。もう痩せる思いです、、、嘘です。
勿論レプリカのメーカーの血の滲むような苦労に敬意を表す気持ちはありますが、まあ愉しみ方は自由なんで自分は2万のレプリカジーンズを新品で買った事は無いです。
ジーンズに限らずメンズファッションてモンは突き詰めるほど厄介なモノだと思います。
男のカッコよさを求めていたはずが、突き詰めるとその一線を軽く越えてしまう。
つまりわざわざカッコ悪いモノを選んで悦に入って、誰もその洋服の価値やコーデに気づかない事すら『愚民どもめ』喜ぶ、なんて本末転倒な事態になったりするんです。
そもそもヴィンテージジーンズって40~60代には似合わないですよ。
言えてる
うす汚い男がうす汚い服着てるんですから。前に漫画の企画でホームレスの方がリーバイスXX大戦モデルを履いている、というシュチエーションを考えました。誰も足を止めない位、完璧に違和感ない風景でしょうね。
経験上、悲しいかな良いジーンズを着てる人の男前が上がる事はないんです。
自分も例えばドンドンタウンで500円のワイシャツを取っかえ引っかえ着てると「いつもセンスいいわね」なんて言われるのに仕事絡みの飲み会にヴィンテージぼちぼち初期型リーウエスターナーで勇んで出かけたら先輩に「いやー、クリエイターはそういう無頓着なスタイルでいいんだよ」と同情されるという、、、(苦笑)
リーバイスサード(557)に至っては所有8枚はあるので、毎日、しかも1日3回別の557に着替えようが(実話です。Gからなんか着て貰いたい嫉妬目線を感じて、、、贔屓してないよ、と平等にね。愛人を沢山持つ男の苦労がわかりました)
色落ちなんちゃらなんて全く眼中ない周囲からは着たきりスズメの地味男にしか見えないんですね。
自己満足、、、いやせいぜい愛車でもペットでもなく[青いの]をいっぱい飼ってる(囲ってる)感覚ですか。
本物の506XX(シンチバック初期型)です。1930年代あたりの逸品で色も濃くサイズも38~40インチでジャストです。3年前にヤフオクで6万8千円(安っ)でした。ボトムはフルカウントにペンキ飛ばしました。コッチは6千円とペンキで2千円
人間のスケール的にもかつてゲバラに憧れ社会変革を夢見ていた(自分はその弟世代だから無行動なんですがね)少年のなれの果てと考えると、ほとほと自分が嫌になったりします。
カッコいいを目指してコッケいい(滑稽)になる。でもポジティブに、、、もう自分は趣味でなく、、、、業(ごう)だと思ってますよ。
「君たち女の子、業!業!」、、いや
「やる気!元気!岩城!」ですね。